ガンパウダー・フォールズ・リバー 4月末
Gunpowder Falls River, Maryland

 この川には2週間前に次男を連れてきたが、この日は、長男を連れていく。

 大都市ボルチモアを郊外の環状道路で迂回し、更に北上すると、高速道路はこんな谷間に入っていく。一番下がガンパウダーにかかる橋である。
 高速を降りたら、5分で川に着く。この道は、いつ来ても気持ちの良い田舎道である。
 今日は、午後3時前からの入渓。通称「下の駐車場」と呼ばれる中流域の駐車場は、10台ほどの車でいっぱい。
 実は、いつもは「上の駐車場」から上流域へ直行してしまうのだが、今日は後学のために下から入ってみた。
 すると、上流域の渓相と違い、かなり荒々しい流れ。水深もかなりある。

 岸際の深みを覗き込むと、たくさんの魚影が見える。100万人が攻めるだろうからダメとは思いつつ、しばらく釣ってみたが、文字どおり見向きもされなかった。

 マスらしき影だけでなく、巨大なコイが何匹も。
 10分ほど上へ行くと、キャスティングしやすい渓相が始まった。

 ライズを探すが見当たらない。しばらくのんびり川面を見ていることにする。
 初夏の渓流は、日本もアメリカも変わらずきれい。

 すると、背後でバシャっと水音が。何かと思って振り返ると、ビーバーではないか。水に半分浸っていた私の竿に前足をかけて、こちらを見ている。

 本物のビーバーを見たのは初めて。写真を撮ろうとアタフタしている間に潜って行ってしまった。
 ライズを探して更に上流へ。いつも釣っている場所のちょっとだけ下流である。

 この流れでついにライズを見つけたので、ロッドを振ってみたが、手ごわい。この場所はバックをとりにくいので、更に良い場所を探して上流へ移動する。 
 先週、次男と釣った場所である。ここでもライズが散発している。ここで腰を落ち着けることにする。
 しばらくドライを流してみるがうんともすんともいわない。

 しかし、下流からピックアップしようとしたら、スケーティングするフライに2度もブラウンがアタックしてきた。

 思い立って、ウエットに換える。
 これが奏功して、釣れだした。フライは、オレンジパートリッジなどの、ごくシンプルなやつ。

 上針、下針、どちらにも来る。

 着水と同時にスプラッシュしてくるヤツもいる。これは楽しい。
 流心では、ニジマスも出た。かかった瞬間に激しいジャンプ。
 日が翳って、ますますよう釣れる。長男も3匹ネットに入れ、アタリやファイトは数知れず。

 向こうアワセの釣りは、掛け方がちょっと難しいようだ。
 すると、背後のトレイルを歩いているハイカーが「お前の後ろにデカいビーバーがいるぞ」と教えてくれ、振り返るといるいる。さっきの子かどうかはわからないが、なにやらガサガサやっている。

 意外に大きいのでびっくり。

 このビーバー、我々が釣っている川の中も自在に泳ぎ回っていた。
 夜7時半を過ぎ、周囲はかなり暗くなってきた。最後にドライを試してみると、エルクヘアカディスをスケーターさせるのが効果的だと判明。

 しかも、白泡が水面を走る位に派手に引っ張る方がいいらしい。

 この方法で何匹かかけたが、ウエットに出た魚よりも総じてサイズが大きかった。
 結局、夜8時まで川にいた。午後から入って夜まで釣るという贅沢はなかなかできないが、やっぱりイブニングは楽しいと認識を新たにした。
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家から約120km北上したところにあるこの川は、ダムの上層水だけでなく、中下層の水も放水されているので、水温があまり高くならず、マスが棲める環境が維持されている。