フィールドにて 5

 フィールドにて 目次に戻る


■ 偶然というにはあまりにも・・・(05年7月24日)

 つい先日、林道で後輪のホイールを破損して交換したところだったが、1週間ほど経ったある日、ふと見ると、同じタイヤがかなりへこんでいる。近くのガソリンスタンドに立ち寄って空気を入れてもらったところ、相当抜けていたことが判明。ホイールの付け方に問題があったのだろうか、それとも大丈夫だと思っていたタイヤにやはり問題があったのか?

 夏休み中であり、早く直しておかねばと、50km運転して佐久のタイヤ館へ。

 すると、なんとこの同じタイヤにビスが刺さっていることが判明。

 他におかしな所がないかどうかチェックしてもらう。このように、古典的だが明快な方法でチェックする。
 なるほど、ビスが刺さっている所から泡が出てくる。他は大丈夫そうだ。
 ビスを抜き去った後の穴をキリ状のもので拡げた上で、ゴムのヒモのようなものを入れ込む。それだけで修理完了。1260円なり。

 私は、同じタイヤが1週間を置いて2度もおかしくなるなんて、不思議で仕方がなかったが、お店の人曰く、つい数分前に来た別のお客さんも、パンクを直したタイヤが4日後に再度パンクした由。


 1回目とは違い、いい経験だ、などと悠長なことを言っていられなくなったが、とりあえず安く済んでほっとした。
 
■ ある発狂釣り師の一日(05年7月23日)

 休日FFMは、たいてい常人ならやらないような無茶をしたことがあると思う。金曜日の夜、午前様で会社から帰り、そのままドリンク剤をあおって車に乗り込むとか・・・。

 そのうち、無茶は減っていくものであるが、私自身、後で振り返ってみると、「バカなことしたなあ」と苦笑してしまう事例も多々ある。今日ご紹介するのは、おそらくは良識あるみなさんが仰天するような発狂振りの事例である(笑)。

 ある連休での出来事。その連休は、家族とバラバラに行動する予定だったので、釣りくらいしかやることがなく、連休初日から山へ行くことにした。ところが、その正に初日に
法事が入ったのだ。法事はサボりに使いたいときにはなくて、よりによって連休初日かよ、と思ったが、かわいがってくれたおじいちゃんの○回忌であり、孫としては是非行かねばならない。

 法事は昼食までなので、その後に東京を出ようと思ったが、よく考えたら高速道は大渋滞必至である。道路公団の予測では、中央道が30km渋滞とな。これでは夜になってしまう。

 普段なら、「じゃあ、法事の日の夜にでもゆっくり出るか」ということになるのだが、ひとりだということもあり、少々冒険?がしてみたくなった。

 連休前日の夜、会社から早めに帰り、すぐ車に乗り込んで、山梨県の大月まで行く。中央道で1時間である。中央本線大月駅の近くの無料駐車スペースに車を止め、大月駅から急行列車で東京に戻る。つまり、
渋滞区間を避けて車を先に進めておいたのだ。車で自宅を出てから約3時間で自宅に戻れた。普段なら会社から戻っていないような時間に、既に大月を往復して家にいる、という不思議な状態。ちなみに、高速代がETC割引で650円、電車代が1260円、計1910円。

 そして翌日、新宿での法事が終わると、一目散で新宿駅に走る。大月まで電車で戻るのだ。この分だと午後3時半には川に立てるだろう。

 ところが! 
山梨県内で事故発生! 新宿駅のホームは人でごった返している。聞くと、本来私が乗るはずの特急列車はまだ山梨県内にあり、新宿駅発は2時間半遅れとのこと。

 ホーム上で情報収集に努めたところ、特急列車はダメだが、中央快速(赤い通勤電車)は高尾まで特に遅れもなく運行していることが判明。また、高尾と甲府の間では、おそらくは折返し運転が行われているのではないか?とのこと。高尾まで行けば何とかなるかもしれない。

 大月駅や高尾と大月の間にある猿橋駅などに電話で連絡を試みるが、JRの各駅は電話番号がNTT番号案内に登録されておらず、JRの中央案内所に繋がれてしまう。粘って色々聞いたが、結局高尾よりも先の状況はわからずじまい。一か八か、中央快速に乗って高尾へ向かう。高尾に着くと、正にホームの向かい側で甲府行きの普通列車が待っているではないか!? 
作戦大成功である。ちなみに、この時点で特急列車はまだ新宿を出ていない。

 電車は、中央高速と並行して走る。時折高速道が見えるが、ばっちり渋滞しているようだ。

 無事に大月駅に到着。当初の予定よりも1時間ほど遅れたが、作戦勝ちで喜び倍増。中央道は大月より先は全然混んでおらず、4時半には小淵沢で川に入ることができた。

 予想外の珍道中で、もうこんなことはしないだろうが(というか、こんなことをした人が史上何人目か知らないが)、あるいはお盆の帰省をされる人で、行き先での都合上車で行く必要があり、しかも一番混む時間帯でないと出られない人には、使えるテクかも(笑)。

■ 京都にて(05年7月18日)

 会社からの派遣で、京都府の二つの高校で講演してきた。昨年は高知に行って歓迎してもらったのだが、今回は古都京都。ぶぶ漬けの話もあり、江戸っ子の私は かなりびびって向かったのであった。

 一つ目の学校は市内の二条にある。二条といえば二条城、これくらいは江戸人の私でも知っている。十分な余裕をもって駅に着いたので、早速散策してみることにした。

 これが二条城の外観。中に入ってみたかったが、そこまでの時間はなかったので学校に向かう。さすが盆地の京都。すさまじい暑さ。東京ではようやくニーニーゼミが鳴き出したばかりなのに、こっちはクマゼミが大合唱。
 
 講演自体は大過なく終わった。校長先生がとても熱心・丁寧な方で、外国人教師の帰国お別れ会を兼ねて夜ご一緒しませんか?とお誘いいただいた。よろこんでお邪魔することに。


 実に雰囲気の良い料理屋で楽しく話す。今日では、公立高校も進学実績によって校長先生の学校経営能力が評価され、結果が出せなければ進退に関わることになっているそうだ。世の中確実に変わってきている。

 
 このサイトはマス釣りのものですから、一応サカナは載せとかないと(笑)。天然鮎(アブラビレあり!)をお酢と蓼(たで)でいただく料理。うーん、いかにも京都です。蓼は、「蓼喰う虫も・・・」のタデ。鮎をかじっちゃ、蓼をかじり、という食べ方をする。ちなみに蓼は、ピリっとします。
 折りしもこの日は、祇園祭がクライマックスを迎える3日ほど前。校長先生他のみなさんが、親切にも賑やかな四条通り近辺を案内いただいた。浴衣姿の女の子が大勢いて、風情あり。
 17日(日)には、このような山鉾が街を勇壮に巡行するんだそうだ。これは町内会的な寄合が維持・運営しているらしい。
 普通、私がこの種の講演に行くと、先生方は「いや〜よかったです〜」とかお世辞を言ってくださるのだが、今回はそういうことはなかった。生徒たちは熱心に聴いていたので、別にお世辞を言っていただく必要はないのだが、これが京都式か、と思った。

 ところが、こうやって京都を短い時間でよく体感できる場所での食事会に誘っていただき、祇園祭の雰囲気も味あわせていただいて、心遣いがうれしかった。食事の最後に、校長先生が「来年もお願いしようと思います」と静かにおっしゃられ、それがこの先生一流の謝意の伝え方なのだと思い当たった。また、同じ方向であるとはいえ、ホテル近くまで付き合っていただき、しかも、「学校のパンフレット、よろしければ」と受け取った封筒(既に先刻同じものをもらっていたのだ)には、山鉾の手ぬぐいがお土産がわりに入っていた。四条通りを散歩していた際、ちょっとの隙に買っていただいたのだろう。

 職場でも学校でも、京都の人には大勢会うが、今回は優しい心配りの美しさを教えてもらった、すばらしい旅だった。
■ 何事も経験!(05年7月16日)

 山奥沢へ向かう道で、普段入ったことのない山道に探検がてらちょっと分け行ってみたところ、すぐ行き止まりになり、やむなく車をバック。ところが、両側が笹で隠れてよく見えないところで、後輪が石か何かに乗り上げ、すごい音を立ててずどんと落ちた。また、その際何かが飛んで笹薮へ。

 あちゃー、やっちゃった〜、と車を降りてみると、左の後輪が見事にパンク。このようにホイールがちょうど空気のバルブ近くでめくれ上がり、バルブとタイヤ本体が離断して空気が抜けたようだ。飛んだのは、ホイールのカバー。笹薮のかなたまで吹っ飛んでいた。おおこわ。
 しかたがない。まずはスペアタイヤと交換だ。ジャッキで車を上げにかかるが、林道の砂利道なのでなかなか厳しい。

 この日、釣りは順調だったのだが、やはりタイヤのことが気になりながらであった。

 車に戻ってくると、修理屋さんを求めて下界へ。
☆  ☆ ☆
 あてがないのでダメもとでJAFに電話すると、JAFはタイヤの交換はやれるが修理はできないとのこと。

 国道に出て修理屋さんを探すと、ほどなく見つかった。聞くと、これはおそらくホイール交換になりますよ、とのこと。

 修理屋さんの所にはホイールの在庫はないので、タイヤメーカーが出している大きな工場兼店舗(タイヤ館)へ。この修理屋さん、どこでなら直るか、在庫はあるか、お金にならないのに全部調べてくれた。心から感謝。

 タイヤ館まで走っている途中、こんな感じで大雨になってきたので、「どのみち今日の釣りはここまでだった。いい経験だ」と思うことに決めた。

 タイヤ館に着くと、既に連絡が入っていたために交換用ホイールはちゃんと用意されており、ピットも空けてくれていた。こんな機械でおじさんがあらよっと、という感じでホイールを交換してくれる。ものの10分で修理完了。タイヤ自体には問題がなく、そのまま使えることがわかって、とてもほっとした。ついてる、ついてる。
 ホイールは、右の写真でわかるようにかなりのダメージを受けていた。たまたま正にバルブの所がこうやってめくり上がったのですぐにパンクしたのだが、これは完全なる偶然であり、別のところがめくり上がったのであれば、すぐにはパンクせず、徐々におかしなことになっていったおそれが強いらしい。うーん、やっぱりついているとしか言いようがない。ルーレット当てたみたいだな。

 ともかくも大事にはならなかったし、出費は痛かったが(1万円未満です)、いい経験になったし、安全運転、一層頑張らなくては、と改めて思った。


 ちなみに、スペアタイヤは、長く使っていなかったので空気が半分くらいしか入っておらず、そのまま使っていると走行中にタイヤとホイールが分解する可能性すらあったそうで、ヒヤっとした。スペアタイヤの空気圧まで気にする人は少ないだろうし、タイヤには時速100kmまでは走れるようなことを書いているので、盲点だった。

 ところで、こうやって写真を撮っていた私に、おじさんが「なーんで撮ってんの?」と。確かに変わり者に見られますよね(笑)。