フィールドにて 8

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■ ニューヨークの釣具屋(06年9月25日)

先日、ニューヨークへ行った際、釣具屋を探してみた。

いろんなガイドで調べた結果、「アーバン・アングラー」というお店がよさそうだったので、そこへ出かける。マンハッタンの5番街という、高級な店が立ち並ぶ賑やかな所だった。


5番街
目指す番地へ着いて、「えーと」と見渡すと、ビルの3階に幟がある。あー、あった、あった。早速エレベーターを上る。
お店の外観
店内は、このように明るく、木目が目に優しい。さっそくおじさんが「何をお探しですか?」とにこやかに話しかけてきた。
 日本のお店と似てます
そもそもフライフィッシング自体があちらのものなので、品揃えは大して変わらない。マテリアルはメーカーを含めてほとんど同じ。ロッドもセージ、ウィンストンなどこれまた同じ。僕が愛用するセージのTXL-00も売っていた。全体的に日本の1〜2割引くらいのようだ。

フライボックスは、なんとC&Fのものが一番多かった。これは日本よりも高め。平成8年設立の会社なのに、大したもんだなあ。

ロッドのコーナー
せっかく来たので、シムズのベストと現地のフライ雑誌を買った。ベストは179ドル(約20,800円)で、日本のサンスイだと25,200円だから、2割弱安いということか。

フライ雑誌は、日本のと同じでいろんな川を紹介していて、楽しめた。見た感じ、日本の渓流と似たような規模の美しい川がたくさんあるようだった。

あぁ、いつか行ってみたいなあ。。。

 正面に完成品フライのコーナー
それから、店員さんに、アメリカ東海岸のベストシーズンで典型的なドライフライを選んでほしいとお願いした。日本ではみな自分で巻くが、アメリカだと完成品を買う人も多いんだそうだ。

ドライのコーナーの一番最初にアダムスと僕がよく使うアダムスパラシュートがあった。なんだか妙に納得。

今回買ったフライたち
近くの公園ではリスが遊び、人々が散歩していた。いつか機会があったら、あちらで釣りなどしてみたいものだ。

■ ETC割引の計算ツール(06年9月9日)

 ETC割引、一番安く上げるには何時までにIC入って、どこで乗り換えて、という計算は結構面倒なもので、誰かソフトを作ってくれないかと思っていたら、やはり作ってくれた人がいた!

http://hpcgi3.nifty.com/h_tommyjp/wiki/wiki.cgi

 結構便利です。無料でダウンロードできます。

■ 銀座4丁目のコオロギ(06年8月30日)

 会社帰りに珍しく銀座に寄った。なんとなく気が向いて、久しぶりにCDを買いたくなったのだ。4丁目の交差点の近く、山野楽器へ足を向ける。

 CD屋さんに行ったのは本当に久しぶりだったので、いろいろ買っていい気分だった。

 店から裏の路地へ出ると、目の前をスーツ姿の女の人が歩いていたが、その彼女が突然立ち止まり、かがんで地面を見ている。なんだろうと見てみると、カマドウマがぴょんこぴょんこ跳ねている。彼女はまず、分厚く膨らんだビジネス鞄で道の端へ追いやろうとした。

 明らかに、虫が通行人や車に踏まれないよう、安全な場所へ移そうとしているのだ。

 鞄ではうまくゆかなかったのか、彼女、ついに掌で掬い取った。そして、最初は鞄を不安定に抱えながら、しまいには鞄を道の端に置いて、虫の置き場所を探し始めた。

 40歳位の、真っ白なスーツの人。「弁護士です」と言われれば、すぐ納得いきそうな雰囲気の女の人だった。

 銀座のど真ん中の路地で、小さなものへ向けられたささやかな優しさを意外な形で見せられ、この日一日、よい日だった気がした。

 ちなみに、カマドウマが男子の間では通称「便所コオロギ」と言われていること、しかし彼女は「コオロギ」だと誤解していた模様だったことは、僕だけの秘密にしよう、と思った(笑)。


■ 大阪のオバちゃんvs江戸っ子じゃあ・・・(06年5月29日)

 先日、ある国へ出張してきた。久しぶりの海外である。

 しこたま仕事をして、ヘトヘトになって帰りの飛行機に乗った。関空まで約10時間の深夜フライトである。

 エコノミークラスの前の方に座って後ろを伺うと、後部は結構空いている。ドアが閉まるとすぐに、後部座席へ移動した。4人掛けが丸々空いていたのでそこへ。

 そしたら、そこは大阪のおばちゃんたちの団体さんのど真ん中。その中の一人が「あらー、ここあいててえーねー」とか言って同じラインへ入ってきた。まぁ、しょうがない。

 おばちゃんとの間で、協定を交わした。4人かけのシートの肘掛を上げてベットのように使う。お互い足を向け合って、蹴りあっても言いっこなし。

 ところが、先に寝だした彼女、向こうの端からこちらの端まで丸太のように寝っころがってきた。こちらも寝ようとしたが、立派なお尻にはばまれ、こちらの足は伸ばしようがない。ヘタをすればカンチョーしてしまいそうだ。そしたらさすがのおばちゃんもイカるだろう。

 しばらくもぞもぞやっていると、おばちゃんが言った。「うちの息子、狭いときはよく床で寝るって言ってたわよ」

 おいおい、協定はどうなった、と思うが、こちらも日本に着いたらすぐ仕事。ちゃんと寝ないと後が大変で、切羽詰っている。試しに床に寝てみた。前の座席との合間の狭いスペースである。

 そしたら、意外といいのだ。真っ平で、背中も楽。さっそく空いている周囲の席から枕や毛布をかきあつめ、ちゃんと寝てみた。4時間か5時間はしっかり寝られたと思う。

 それにしても、おばちゃんにまんまと嵌められたようだが、そもそも生粋の江戸っ子が、日本最強である大阪のおばちゃんと協定など結ぼうなんて、百年早いということだろう、と苦笑いした。

■ コンビニ袋にご用心(06年3月21日)
 釣りに行って携帯電話を落としたり壊したりした人は多いと思うが、こういう経験の人はいないと思う。一年前のオフシーズン中の出来事だった。
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 友人と一緒に雪深い神奈川県の管釣へ出かけた。着いたら四駆が雪にはまって1時間半掘り出すといった苦労もあったが、酔狂な釣り人は我々だけだったようで、貸切を楽しんだ。沈める釣りだったが、そこそこ釣れた。昼ごはんは、コンビニで買ったカップラーメンとおにぎり。キャンプ用のストーブでお湯を沸かして食べた。体が温まった。

 さて、夕刻になり、車で出たところで、携帯電話がないことに気づき、ちょっと思案してすぐ思い当たった。コンビニ袋に入れっ放しだ。しかもあの袋、ゴミ箱に捨てちゃった!

 私は自分の電話に加えて、職場から緊急用に支給された2台目の電話も常に持ち歩いている。不便といったらない。行きにコンビニへ寄った際、邪魔なので2台ともお昼の袋に入れておいたのだ。そのビニール袋は昼食後はゴミ袋になった。

 慌ててゴミ箱へ駆けつけると、空っぽである。管理人のオジさんが収集してしまったのだろう。今度はオジさんを探した。ようやく見つけて、
(私)すみません! あのゴミ箱のゴミ、どこにありますか?
(おじさん)ん〜? ゴミい? ああ、
燃しちゃった(とにっこり。)
(私)ええっ!!??
(おじさん)(のんびりと)どおしたのお?
(私)ゴミ箱に間違って携帯電話入れちゃったんです。
(おじさん)ああ、そお。ほら、見てごらん。

 と背後を指差すのだ。私が怪訝な面持ちで「何ですか?と訊くと、

(おじさん) 
シカ。
(私) シカって? ああ、ホントですね。

 確かに野生のシカが枝か何かをモグモグやっている。

 しかしダメだ。おじさん、シカじゃないよ。
携帯だよ携帯! 引き続きにこにこしているオジさんを置いて、慌てて車でゴミ箱の現場に戻る。そう言えば、昼食後に車の付近で盛大な焚き火が行われているのを見たよ。。。

 早速焚き火がまだくすぶるドラム缶を探ると、ほどなく機械の残骸を発見。ほとんど基盤だけになってしまっている。「ああ・・・」(涙)

 自分の携帯電話はまだよいが、職場の分は弁償である。しかも正規のか何か知らないが、やたら高いやつ。およよ。みなさんは気をつけて下さいね。