大門川(川久保地区) 5月上旬 |
【基礎データ】 |
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私のホームグラウンドである八ヶ岳東麓の川の中でも、大門川は、季節や時間帯によって様々な顔を見せ、アマゴもイワナも両方よく出るし、アプローチも比較的安全な川として気に入っている。ただし、釣り人の数は多い。 |
右の写真は、川久保地区で入渓してすぐの地点。ここではアマゴもイワナも出る。この先2〜3時間(1kmくらい)のところに大堰堤があり(通称一本杉)、そこへ出ると車止めまで上がることができる。 堰堤の上は、千ヶ滝までひとまとまりの区間となる(2〜3時間コース)。千ヶ滝近くまではアマゴが出るが、それより上はイワナのみ。 |
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左の写真は、上の写真の付近でつれたイワナ。22cmほど。フライは、#14のガガンボパターン(ウイングをコロスキンで成型したもの)。 |
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右の写真は、もう少し下流。この手の大岩の陰からイワナはよく出る。 |
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これが上の写真中央の下泡脇たるみで出たイワナ。成魚放流もやっていると思うが、釣れるのは少なくとも発眼卵放流か稚魚放流と思われるものばかり。 |
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これは最初の写真の場所からほど近い場所。朝6時頃。写真中央の緩やかな瀬でスプラッシュライズを繰り返す魚を発見し、ロングキャストで狙うと、下のアマゴ(ちび)が釣れた。ちょっと見にくいが、朱点鮮やかなネイティブ。ちっちゃくてもこれなら幸せ。 |
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ところで、私が初めてこの区間を釣ったある夏の午後、イワナが楽しく釣れて喜んでいた間に、夕暮れが近づいてきた。 堰堤のある一本杉までいけば地上に上がれると聞いていたので、釣りはほどほどにして遡行したが、谷深いところなので、暗くなり出すと早い。あっという間に手元もよく見えないほどになってきた。空を見ると、まだ青さが残っているのだが、谷間だと足元は真っ暗といっていいほど暗くなってしまうのだ。 当時はフライを始めたばかりでライトも持っていない。激しく迷った末、引き返した。薄暗い中での川通しの歩行は、困難を極めた。何度もコケた。 次の機会に一本杉まで釣りあがったが、あの暗さではとてもじゃないがたどり着けない距離だった。迷ったら引く、という野山での鉄則の重みを改めて思った。 |