川 3月下旬 

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【基礎データ】
○所在地:山梨県早川町 【地図】
○水系:早川水系
○管轄漁協:早川漁協
○混雑度:●●○○○
 早川水系の有力河川。昨年6月以来久しぶりに行ったが、砂礫の大量流入によって段々雰囲気が変わってきているとの印象。


 

 
 3月末に友人と共に早川水系へ。彼は3回目のフライ釣行であるが、実はもうすぐ海外赴任予定なので、日本の美しい渓流を是非見て行ってもらおうということで、いろいろ思案した結果、南アルプスに行くことにしたのだ。まだドライはきついから、難しいかなあ? でもいいや、行ってみようぜ、というノリである。

 早川水系の支流では、エサ釣りの人たちを中心に非常に朝が早いと前から思っていた。今回目指した黒桂河内川(つづらごうち川)でも、朝5時の時点で入渓地点の駐車場に既に2台駐車。この川は入渓点が最下流部のひとつだけなので、やむなく断念し、保川(ほうがわ)に行った。

 ここでも駐車場には既に1台。親切そうなルアーマンにどこから入渓するか訊いたところ、駐車場脇から入ってずっと上まで行くが、ルアーなので先行者は気にならないから、どこから入ってもよいとのお話をいただいた。そこで彼に迷惑がかからないようにするために、4つある大堰堤の第2堰堤上流から釣り上がることに。
 
 駐車場を管理している方から入漁券を買うと、「いやあ、魚いないよ。いつもはいるんだけどねえ」となんとも予想せざる発言が。イヤな予感。っていうか、先週解禁したばかりでしょうに。ナゼ?! 今年はまだ成魚放流はやっておらず、04年5月に5000匹の稚魚を放しただけの由。

 そういえば、前日、漁協に状況を聞いたとき、黒桂河内や保川の名前を出すと、「昨年放流の残りがいるかどうかですね」と言われ、電話が遠いこともあってよくわからなかった。そういうことなのか!?

 でもまあ全然釣れないなんてことはないでしょう、と語り合い出発。

 右の写真は、6時頃、川に併走する林道から見た、第1堰堤と第2堰堤の間の風景。
 

 林道はこのように結構荒れている。周囲を見渡すと、もともと非常に谷深い場所なのだが、山頂近い場所まで、あちこちで土砂崩れが起きている。伐採はしていない雰囲気なので、自然崩壊だろう。酸性雨の影響? それとももともとこういう地理的体質の場所なのか?

 第2堰堤のすぐ上流の渓相。奥に水平に走っているのが林道である。これが第4堰堤付近まで走っており、その上はかなり厳しい道が待っている。

 気温は0度、水温は5度と低い。まずはニンフで攻めてみる。水量はいつもどおりとの印象。ハッチは見られず。
 
 しかし、アタリはまったくない。魚の影すら見られない。水は、前に来た時はよく澄んでいたが、今回は、わずかに白く濁っている。岸際の浅瀬には、白く細かい泥が沈んで固まっている。あえて喩えれば、セメントみたい。
 
 ためしに川底の石を持ち上げてみたが、川虫もほとんど見当たらず。周囲の河岸が崩壊していて、砂礫があちこちで大量流入している。これが原因だろう。
 
 1時間少々かけて第3堰堤(右の写真)まで釣り上がったが、釣果はなし。見ると林道を上流に向けてあるく先ほどのルアーの彼の姿。「ぜーんぜんダメ」と体で表現している。

 第3堰堤も攻めてみたが、アタリはない。
 この堰堤、すぐ下に堰堤の側壁がもう一つ見える。近くに寄ってみると、川底に堰堤が埋まっている。つまり、前は下の堰堤しかなかったのだが、堆砂(たいしゃ)によって川床が上がり、すぐ上流にもう一基建設したということだろう。いたちごっこということか。

 
 こりゃだめだと判断し、何とも見切りのいい話だが、この川は断念。彼には何とか一匹釣ってほしいが、この季節、周囲にいい感じの川は知らない。いきなり
「管釣いこっか?」と方針を超大転換

 最下流部はこんな感じ。この下はヤマメピアという管理釣り場。

(おまけ)
 そしてその後、なんと養沢まで行ったのだ。八王子インター経由で2時間。養沢に行ったのは初めてだったが、人がすごく多かった。魚は、管釣であることを考えてもシビアなほどスレていた。ピーカンだったからかな・・・。私もミッジ、ニンフ、ウエットをとっかえひっかえして数尾上げるのがやっと。友人はニンフで最後一匹上げて、私も心底ほっとした。一日の走行距離は420km。。。
 しかしそれにしても、保川の状態はショックだった。とにかく、川の中に生命を感じさせるものがほとんどないのだ。普通、苔だとか何とかあって、川全体に生命の存在感が溢れているものだが。。。第4堰堤の先まで行けば違うのだろうか。



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