木滝谷 7月末

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【基礎データ】
○所在地:岐阜県大野郡白川村   【地図】
○水系:荘川
○管轄漁協:荘川漁協 0576ー92ー2014
○解禁期間:3月1日〜9月30日(2005年)
○混雑度:一度行っただけなので不明なるも、●●○○○程度との印象。
 合掌造りで有名な白川郷に行った際、近所の何気ない川で短時間釣ってみたもの。真夏だけあって、ヤマメもイワナも大きなフライに元気よく出て、楽しかった。


 

 
 家族で白川郷へ。中央道で松本経由岐阜に入る。そういえば、岐阜に行くのは実は生まれて初めて?!。

 安房峠を越えると、高山まで長い下り坂が続く。道は、きれいな渓流(小八賀川)に沿っていて、運転していてもヨソ見しがちで危ない危ない。トイレ休憩の際に一応竿を出してみたことは言うまでもない。

 高山から部分的に開通している高速道路を通り、荘川ICで国道156号線へ。それから荘川に沿って北上。御母衣ダムに沿って、時にはその上を跨いで車は行くのだが、ダム湖ってでかくて深くて怖いので苦手です。。。

 白川郷は、300〜400年前に建てられた独特の工法の民家がほぼそのままの形で住居や民宿として使用されている。冬景色も有名だが、夏も、青田と蝉しぐれの中佇む合掌造りの家並みはなんともすばらしい。 なお、3月29日現在の積雪は50cmで、田畑では所により2mも積もったままだそう。本当に大変な環境で、村を守り育てている人たちに敬意を覚える。
 
 
 村内を歩き回る。道の両脇に水路があり、川から引かれているのか湧き水かわからないが、きれいな水が流れている。

 その中になんとニジマスがたくさん泳いでいるのだ。バッタが水面に落ちたら、ものすごいスピードでやってきて、飛沫を上げて食べてしまった。。。

 さて、せっかくなので川にでも、ということで、地図を頼りに一番近い渓流へ。名前も何もわからず、後で調べて木滝谷であると知った。

 河原の岩は大きめ。水の透明度は高く、よい天気の中、白い岩に青く映えている。水温は14度。蝉の声と水音が気持ちいい。下流部で、岸際のたるみに#12エルクヘアカディスを浮かべたら飛び出したヤマメ。

 家族連れなのであまり遠くにはいけないが、岸際を重点的に狙って遡行したところ、今度はイワナが出た。この写真の魚は普通の色だが、釣れる魚は岩の色を反映してか、薄いのが多かった。

 短時間で5匹釣り上げ、満足して宿に戻る。

 夕食は飛騨牛のほう葉焼きなど、期待していたものがそのまま出て、おいしかった。

 同宿のアメリカ人家族は、息子さんが「JETプログラム」で日本の中学校の英語教師をやっていて、彼に呼ばれて来日し、3人であちこち旅行しているのだった。
 ご両親とも、息子さんが日本に溶け込んで頑張っている姿をとても誇らしく思っているようで、こちらまでうれしかった。

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(追伸)
 このHPでは、楽しいことだけを紹介することをモットーにしています。ただ、この白川郷だけは、悲しい話が一つあり、それにまったく言及しないではいられなかったので、こうしてささやかながら追悼の言葉を書くことにしました。

 私たちが白川郷を訪れた04年7月27日の朝、白川郷の家族5人を乗せた乗用車が、高速道路の対向車線からはみ出してきた過積載のトラックと正面衝突し、全員亡くなってしまったんです。その中には、女子高生の子がいて、彼女は、その旅行の後、私たちが泊まった民宿でアルバイトする予定だったんだそうです。

 亡くなった5人の家は、私たちの民宿のすぐ側にあって、私たちも、5つの棺の到着を出迎えました。みな、泣いていました。私たちまで、どうしたらいいかわからない、いたたまれない気持ちでした。

 いまでも何かの折に時々思いだします。我々は、生かされているんだなあ、とも。

 ご遺族を始め、白川郷の人たちが、慰霊碑を建立されたそうです。次に行くときまで、家族元気で過ごし、ぜひ霊前に花を供えたい、そう思っています。