南アルプスの川 4月末

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 エフさんと一緒に南アルプスのある山岳渓流へ。

 GWでもあり、車止めには登山家とおぼしき人たちの車が何台かとまっている。

 とにかく、南アルプスはスケールがでかい。写真では感動をうまく伝えられないのが悔しい。 
 登山道を二人して約1時間半登る。かなり難易度の高い山への登山道だそうで、「クライマー」といった感じの人々とすれ違う。

 水温は、10時半の時点で7度。
 エフさんとは500mほどの距離を置いて釣り上がる。

 魚は、開きには出ておらず、巻きでのワンチャンスのみ。

 ちなみに後述するが、この銀色のリール(レディントン)にとって、最後の雄姿である。
 巻きで静かに出たイワナ。驚くほど引きが強く、下の落ち込みに落ちようとしたので、かなり焦った。釣り上げてからも元気一杯。
 大規模な崩落の痕。このすぐ近くに、これ位の勾配で大岩がゴロゴロしている急斜面(というか崖)があり、そこに赤ペンキで点々と印が付いている。登山道だと言うのだ。

 我々FFMも常人から見ればかなり狂っているが、登山家の人たちもかなり・・・(笑)。
 反応は、巻きを中心に数多いが、基本的にワンチャンスであり、また、まだ季節柄水面の餌の捕食がヘタクソなのか、上手に漂わせておいても喰いきれていない。

 結局、反応は二桁に及んだが、上げられたのは一匹のみ。

 この大岩に張り付いた黒いぬめりの上で派手にこけ、愛用のレディントンのリールがスプール部分と本体部分とに分離して、本体部分が左側の下泡の中へ消えてしまった。
 カメラを入れて探したが、泡だらけで見つからない。手が切れるような冷たさ。

 それにしても、イワナってこんなところにいて、よくも餌を見つけられるものだ。
 少々土砂崩れで荒れたところがあるが、渓相は大変結構である。

 驚いたのは、ある大渕で、奥の落ち込みの脇にパラシュートを置いた時のこと。

 ラインがうまい具合に岸際の静水に乗ったため、非常に自然な形でフライが滞留し続けた。しかしアタリがない。諦めてピックアップしようと思ったところ、頭がかゆくなったので、帽子をとってかいていると、突然バシャっとフライに出た。この間ゆうに1分が経っている。

 とにかく、長時間留め置くことは、時に非常に重要なのだと思い知った。
 岩陰から狙うエフさん。とにかくこの日はよく歩いたが、まだまだ時期が早いとの印象だった。