寒河江川 7月上旬

 7月上旬の土日に、DecoさんBocoさん、彼らの師匠のSさんと4人で、山形の寒河江川へ一泊旅行に行ってきた。山形での釣りは生まれて初めてである。

 深夜、東京を出て東北道で山形へ。宇都宮以北に車で行ったことがない私は、もうわくわくである(笑)。仙台まであと一歩という所まで行ってから山形への高速道に入るのには驚いた。もっと手前で山形に入ると思っていたのだ。

 山形へ着くと、まずはやっぱりさくらんぼ狩り、ということで寒河江市内の農園へ。40分間食べ放題、ということで、みなさん随分楽しんだようだ(後でお腹が痛くなって釣りどころじゃなくなった人がいたことは内緒だ(笑)。)。

 寒河江川は、水がきれいなことで有名で、最近はC&Rになっている。右の写真でわかるように、川幅は相当あり、水量も結構あって流れが重い。流心の底などに大きなニジマスやイワナがいて、岸際に中小型のイワナがいるということだ。

Bocoさんが橋の上から撮ってくれた私の姿

 いくつかある放流ポイントの近くには、たくさんのFFMがいて川に立ちこんで振っている。彼らはニジマス狙いなんだそうだ。我々は、岸際のイワナ狙いで思い思いに遡行する。

 さっそくDecoさんは釣ったらしい。私も頑張ろうと岸際のストラクチャー周りを狙って遡行した。岸際でも流れが強く、結構危なっかしい。

 そのうち、対岸によさそうなポイントを見つけた。たまたま渡れそうな場所だったので、急流をゆっくり横切り、そのポイントを攻めるが反応なし。引き続き遡行すると、その岸がいわゆるぶっつけとなって水深がつき始めた。仕方がないので岸に上がる。

ところが誰も来ない場所だからか、すごいヤブ。踏み跡どころか獣道もない。

水に入ろうとすると、こんな感じで深いし、枝が張り出しているので無理っぽい・・・。

行く手を阻むヤブ、ヤブ、ヤブ・・・。

道までの距離は、せいぜい500mか? それでもこんなにすごい状況は初めて。毛虫が見当たらないのがせめてもの救い。

川は、既に奔流となっており、立ちこみ不可能。

オレはどうなるのか? こんな所で死んだやつ、いないだろうしなあ。

 脱出に1時間半は費やした。死ぬ思いで辿りついたDecoBocoコンビの元。彼らも大笑い。ちなみに直前に対岸にいた27−28cmのイワナをリリースしたそうな。こんなすごい川で対岸に投げてイワナが喰えるほどのナチュラルドリiフト? うーん、やっぱりすごいわ。

 ちなみにここは橋の下。Bocoさんが橋の上から魚影を見つけてダンナが釣り上げた、という次第。

  お昼は、川沿いの集落にある民宿兼食堂へ。名物「山菜そば」。何が名物なのかというと、こういうおそばに・・・、

 こんな山菜汁がどどんと出てくるのだ。これで4人前。名物月山竹(ネマガリタケ)、天然ナメコ、でかい舞茸、その他盛りだくさん。フタをちょうど開けたところでショット! 湯気がいい感じでしょう?!

 東北だけあって、お味は少々濃い目。おいしいです。ところでこのお宿、部屋の中にツバメが入ってくる。間違っちゃったのかと思ったら、そうではないらしい。というのは、
部屋の中に巣があるのを見つけてしまったのだ!!(下の写真)

 食事が出てくるまでの間、部屋にあった地元小中学校の記念文集を拝借。小学生が、毒の山菜はどれ位毒なのか?という極めてまっとうだが普通追究しない課題に取り組んでいる。水槽に金魚を2匹入れ、トリカブトと毒セリを下し金で擂って入れると、トリカブトは水が真っ赤になって、2時間で魚は死に、毒セリだと魚が暴れ出してやはり2時間で死ぬ、という研究結果。感想が、毒が手についてないか心配、とか、金魚がかわいそうだったので、この成果を役立てたい、というものだったので笑ってしまった。

 他には山で発見したカモシカの死骸を先生と一緒に解剖したとか、なかなかワイルドな子供たち。

 午後も釣り続けるが、私は全然釣れる気がしなくなり、かなりグロッキー。というのも、午前のヤブ事件があまりに鮮烈で、怖くなってしまったのであった・・・。

 それにしても水質は良好。岸際狙いで私にも3回ほどフライへの反応があった。

 余裕で釣りを楽しむDecoさんとSさん。

 今日のお宿は、Sさんの一番上のおじさまがやっておられる民宿。居心地のよいたたずまい。夕食は、山菜尽くし。コゴミ、ぜんまい、カタクリ、アケビ、スミタケごはん、ネマガリタケなどなど、おそらくは私の人生でこれまでに食べた山菜の総量をも上回る大ご馳走であった。

おいしかったです。

 翌朝はあいにくの雨。本流が怖い私は、Sさんに教えてもらった支流に一人入る。水は笹にごりで条件は悪くない。入ってすぐ、いかにもイワナが出そうな石裏でフライに反応。やったぜ。

釣れてくれてありがと。

 その後もフライへの反応はあったが、どうも調子が合わず、しかも雨脚が非常に強くなってきた。

 明らかに水かさが増しているのがわかったので、ポイントを絞って様子を見つつ遡行。

 これは普通出るでしょう、という場所でも反応が得られず、1時間半ほどで切り上げる。全身びしょぬれである。

支流も水が増えてました

 本流で釣っていた3人と合流。水が増えてダメらしい。たしかにだんだん茶色の川へと変わっていく。。。

 そんな悪条件の下、SさんもDecoさんも果敢にチャレンジ。さすがに魚は出てこなかった。

おお、すごい気合い!

 残念ながら川の状態が悪く、早めに帰路についた。それでも、初めての山形、何かとスケールが大きく、実に楽しい旅であった。Sさん、DecoさんBocoさん、どうもありがとう!

釣行記の目次へ戻る
釣行記の目次へ戻る