いわて釣り紀行! 06年6月末

 エフさんと共に岩手へ行き、凸凹コンビ他の皆さんと合流。忍野を除き、自然渓流では尺知らずだった私が、ついに尺ものを2匹もゲット! 東京は雨模様だったようだが、東北は天気もよく、最高の釣行だった。

金曜日の夜、東京駅八重洲口から出る夜行バスに乗る。実は今まで機会がなく、夜行バスに乗るのは初めて。

八重洲口は、週末を前に全国あちこちへ散る人々でごったがえしており、旅情たっぷり。地元に戻る人は、既に地元の顔になっている気がする。

バスに乗り込むと、意外と立派。シートはよくリクライニングするから、飛行機のエコノミーよりはずっとらく。そういえばこのバス、「らくちん号」という名前(笑)。

夜11時過ぎに東京を出て、盛岡駅には朝6時半に着くという便である。


この日は、仕事でバスに乗り遅れることのないよう、朝7時に出勤したので、へとへと。あっという間に眠りについた。

よく寝て、いつの間にか盛岡間近にいた。予定時刻どおり盛岡駅へ到着。気持ちよく晴れている。そういえば太陽を見たの、ひさしぶりだなあ。

バスにさよなら。レンタカー屋で小型車を借りる。
エフさんが全部段取りをとっておいてくれた。

生まれて初めての盛岡。新しい土地なので心踊る。八幡平まで1時間弱のドライブ。

宿泊先のクボタロッジに立ち寄って、DecoさんBocoさんと集合。彼らの友達Nさんもいて、みな同じ川へ入ることに。

我々は一番上流部へ。GW以来本当に見たことのない青空と緑。


入渓まで30分近く要したろうか。勾配がきついので大変だった。帰り道が心配(笑)。

川に降り立ってみると、水は笹にごり。思ったよりも水量がある。

さすが岩手。両岸は広葉樹の豊かな森に囲まれ、フキの大きな葉が川原にたくさんある。岩は大きく、流れは太く重い。

でっかいイワナはどこかいな?と大き目のパラシュートであちこち叩くが、思いのほか渋い。

遡行開始30分後、大渕の巻きでようやくフライに出たが、意外に強い引きにびっくり。底に潜られて、岩陰に入ったのだろう、びくともしなくなった。足で追い出そうとした瞬間、バレてしまった。

気を取り直して遡行再開。左の写真中心の大岩の前を何度か流す。ちょっと滞留させるようにしたら、派手に出てきた。

これも引きが強い。一段下のプールへあっという間に落ちて、尚も上がってこない。転びそうになりながら水中を追って、ようやくネットに入れた。25cmとまずます。岩手初のイワナ君。エゾイワナの血が入っているのだろう。白点が大きく目立つ。お腹はパンパン。

初めてだからよくわからないが、なんだかとても増水している気がする。渡渉に非常に苦労する場面も多数あった。エフさんの支援を得つつ川を渡る。

魚の反応は巻きの泡や、岸際の緩い流れに限られた。そこに集中して叩いていく。これはと思うポイントでは、よく反応があったが、すっぽ抜けたり、途中でバラしたりとうまくいかない。

そういえばDecoさんが、東北のイワナへのアワせはゆっくりと、と言ってたっけ。そう思って、我慢して早合わせを避けるようにしたら、ちゃんと釣れた。

この魚が釣れたのは、右の写真のポイント。中心よりちょっと左上の影の部分。しかもたっぷり20秒は漂わせた後で出てきた。

いかに小場所を攻めていたかがわかると思う。

エフさんの方も反応が渋いらしい。ついにニンフを引っ張り出したら水中で結構反応が見られたそうだ。

ベストシーズンの岩手でニンフ。うむむむ〜、どうして渋い???

魚の出は渋いが、このように景色は実に素晴らしい。

東京から無理して来て、こうやって初めての魅力的な川に立つ。贅沢だなあと独り言。急に家族に申し訳なくなった(笑)。

今日のタックルは、Sage TXLの#00。引きの強い岩手のイワナを相手にするにはちと線が細く、前述のように底に潜られたりもしたが、軽くて疲れにくく、楽しめた。

結局、一旦下流へ戻って、クボタロッジのご主人に教わったとおり、大堰堤の上のプールでイブニングライズを狙うことに。

川通しで苦労して車まで戻り、堰堤上へ着くと、このように広いプールになっていた。

実は、普段僕はイブニングライズを楽しむ機会をあまり得ていない。日帰り釣行が多く、家にも早く帰らねばと思うと、そういうことになるのである。今回は、心置きなく楽しめるとわくわくしていた。


しかしこのプール、見た目よりも深く、どうしても対岸に渡れないのだ。僕は小柄で、しかもウェーダーは腰までのヤツなので、立ち往生してしまったのだ。

僕より小柄なBocoちゃんが渡れたのだから、どこか渡れる所があるのだろうと、うろうろするがだめ。途方に暮れてきた。Bocoちゃん、Decoさんに肩車してもらったのかなぁ(笑)。

そのうち上流からDecoさんが登場して、「きみさあ〜ん、もうちょっと下流から渡ってぇ〜!」と助け舟。よかった。Decoさんはいっつもこうやって親切に助けてくれるんだよな。文字どおり渡りに舟だなぁと思いながら堰堤の落ち際を渡ったら、ガーン、岸際はすごい藪と深み。これ、どうしろって言うの?(涙)


しばらく途方に暮れて佇んでいたら、Decoさんがわざわざ近づいてきて、深みの向こうから「こっち、こっち」と手招きしてくれている。

きみさん、下流に行きすぎ。こっちだよ。と案内してくれたお陰で、ようやく対岸に渡れ、みんなが集まっている所へたどり着くことができた。Decoさん、ありがとう(涙)。

対岸に渡って上流へ行くと、プールへの流れ込み付近でBocoさんが既にキャスティングを始めている。ライズがそろそろ始まったようだ。

僕は、Decoさんの手引きでちょっと上流にある、何の変哲もない瀬へ。そこが釣れるんだそうだ。

アドバイスどおりに瀬を攻めると、こんな浅い、何もない所にどうして?という位に大きな魚がフライに出た。ゆっくりアワせたら、引きがズンズンと重い。こりゃいいサイズだと思いながらネットに入れる。「(尺)あるんじゃん?あるんじゃん?」と盛り上がりながら測ると、惜しくも28cm。

その後も、瀬で散発的にライズが起こり、そこを目掛けてキャストすると、面白いように釣れた。

その後、本命の堰堤上のプールへ。このように、5人並んで釣った。仲間が大きいのを釣り上げ、みんなで喜ぶ。一番楽しいことである。

そして、プールで何匹目かをかけた後、流れるパラシュートの横を背中を出して追う魚の姿が見えたと思った瞬間、大きな影が身を翻してフライに喰らいついた。

アワせると、いつもの魚とは違う重さ。そんなに流れがないのに、なかなか寄って来ない。

「きみさん、がんばれー」との応援に応えて寄せてきたが、あと一歩の距離が縮まらない。Decoさんのすぐ脇まで来た。「きみさん!」、「ランディングお願い〜!!!」とDecoさんに掬い取ってもらった。駆け寄って見ると、明らかにデカい。ひょっとして???とみなでサイズを測ると、30cmぴったり。


厳密に言うと足りないかもしれないが、その場でみんなから、尺、認定!!

Decoさん撮影

やったぜ。みなと握手をして、Decoさんが記念写真を撮ってくれた。

たかだか30cmの川魚を釣り上げるのがこんなに大変だったとは。奥の深い趣味にはまってしまったものだ(笑)。

小粒の魚を釣り上げたBocoさん。エフさんやNさんもどんどん釣り上げている様子。

その後は、みんなでクボタロッジへ戻り、9時ごろから夕食を。立派な洋食が出て、おいしかったし、生ビールでみんなと楽しく話せたので、実に幸せな一日だった。満足感と、増水の川を歩いた疲れで、あっという間に眠ってしまった。

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